『大学破綻』

大学破綻  合併、身売り、倒産の内幕 (角川oneテーマ21)

大学破綻 合併、身売り、倒産の内幕 (角川oneテーマ21)

題名からしてセンセーショナルな話が書いてあるのかと思いきや、話題こそ「破綻」にややシフトした方向性ではありますが、基本的には近年の大学のあり方等々について語られています。
筆者はアメリカでUniversity Administrationを経験された方なので、それこそシラバスの必要性とか、ウチダ先生と真反対のことをおっしゃっているわけですが、私としてはやっぱりウチダ先生のお話の方がしっくり来てしまうのです。やっぱり、ウチダ先生が「聞きたいことを言っている」からなのかなぁ。
でも、大学ってその起源はギルドであるわけで、市民社会の契約の論理とか持ち込むのってちょっと違う気がするのだけれど。それがユニバーサル化時代の大学と言われれば、「そんなもんかいな」と思わないでもないですが、だとしても大学のユニバーサル化=アメリカ化ではないのだと思うし…。むろん、ユニバーサル化という概念はアメリカの社会学者であるマーチン・トロウが提唱したものなので、その起こり自体アメリカではあるのですが、だからといってアメリカナイズされればいいというものではないように思います。
それはそれとして、アメリカの大学の運営方法等々には学ぶところ大きいとは思いますけどね。That's why I will go the States!