選挙映画をはしごしてみた。〜「選挙2」と「立候補」〜

「選挙2」「立候補」と選挙映画はしごをしてきました(余談ながらその合間に献血。成分のつもりが「O型の血液が足りてなくて…」と懇願されて断り切れず全血400に)。「ムネオイズム」も観たかったんだけどいつの間にか終わってしまっていた…

選挙2はいつもの?想田監督の映画。
「立候補」も観て一層その思いを強くしたけれど、自らの映画制作を「参与観察」と定義づけているこちらの作品は、筋も通っていて、作品としてきちんと成立しているように思いました。ポスターがすごいので(公式サイト参照→ 映画『選挙2』公式サイト )山さんはどんなイロモノ選挙したのかと思いきや、本人はほとんど活動せず(経費はポスター印刷代と選挙ハガキ代だけで10万円以下だとか)、むしろ想田監督がほかの候補の取材も兼ねつつ宣伝してるんじゃないかと思えるくらい。3.11直後の自粛ムードが手伝ったり、原発への不安が反原発を明確に訴えた山さんを後押ししたのかもしれませんが、こんな選挙でも、法定得票数越える得票ができるのだというのは、すごく新鮮でした。
「選挙運動なんてチキンレース。区議会選じゃ候補の政見ビラも配れないし、不本意だけど『おはようございます』と頭を下げるしかない」との民主党候補者の言とか、「国政だと無所属じゃ何もできないけど、地方議員だと無所属の方が遠慮なしにやりたいことできるし、ひとりでできちゃうんだよね」という山さんの言にはいろいろと考えさせられるところあり。
某党の候補者たちの想田監督カメラへの拒絶反応(前作「選挙」での取り上げられ方に辟易したのでしょうね…)というのも興味深いところではありました。


立候補(公式サイト→ 映画「立候補」 )の方は、画質もいまいちだし、「特定の政党や候補者を支持・応援するものではない」と言いつつも結局特定候補を取り上げることに依存している(ほかのインディーズ候補(=泡沫候補)はほとんど活動してないから仕方ないのかもしれないけれど)点、インディーズ映画の域を脱していないかなとは思いました(選挙期間中公開されていることに対するエクスキューズかもしれないけれど、ちょっとどうかな、と)。
内容については、下記リンクが私の言いたいことをおおよそ代弁してくださっているのでお読みください。
yamachan blog  (社会派うどん人の日常)
追記しておくと、私は「主人公」氏がやり過ぎな面もあるとは思いますので、「自由も自制の上に成立するものだなぁ」という感想を抱いたわけですが(その分、選挙の陰の部分を切り取ることには成功しているのかもしれません)。主人公氏は私のわりと身近でもトラブルを起こしていますし、どうも躁の気があるのでは、と思ってしまいます。
あと、かの外山恒一氏が「ネットのせいで何も起きなくなってしまった」と言っていたのには、なるほど、と思わされました。彼はネットでもてはやされはしたけれど、本質的には「革命家」なのでしょうから、ミーハーな人にもてはやされるだけというのは「違う」のでしょうね。

後者のほうがfunだけど(みんな大笑いしていた)、前者の方がinterestingです。どちらかと言えば前者がおすすめですね。