π=3.14の合理性

あらかじめ申し上げておきますが、π=3.14が間違いということは承知しております。

有効数字がバズってるらしいというのをちらっと見かけてなんの話やら、と思ったら円周率の話であるようです。
算数の問題「円周率を3.14とするとき、半径11の円の面積を求めよ」の解を379.94とするのは誤り? - Togetterまとめ
[2/24追記] 円周率の問題に便乗する。半径11の円の面積はいくつか?

議論全部は読んでないけど、要するに
1) 単純にかけ算として11×11×3.14=379.94
2) 3.14が「円周率」と明言されている以上、「円周率を3.14とする」は近似なので有効数字3桁で380が正答
2-2) 11×11×πを有効数字5桁で表せば380.13
ということでしょうか。

わたしは算数のレベルなら1)でいいじゃん?と単純に思ってしまいますが、他方、「円周率を3.14とする」という表現がいかにも気持ち悪いというのも*1なんとなーくわかるような気もしないではありません。

円周率を習う段階で有効数字やら近似やらを一緒に教え込むのはたぶん無理なので、どなたかがおっしゃっていた「有効数字相当の桁を示して概数で計算させろ」というのが数学的に正しく、かつ学習指導要領内で実現できる整合性のとれたあり方なんだろうな、とは思います。
ただ、これ、目的が「計算をさせること」「円の面積を求めること」「円の性質を知ること」のどこにあるかという話のような気はするのですよね。

計算練習の合理性はないではないと思うんです。
小学生の頃さんざん計算させられて、3.14×nをなんとなく覚えたような記憶がありますし。
ただ、その題材にπを使うのが適当かという話はあるでしょうし、πを使う必然性もないですね。

円の面積を求めるときは、概数3にしても大勢に影響はない(というかそれこそが概数の意義であって、かつ正しい姿勢かも?)ですよね。
これは2002年実施の学習指導要領(円周率は3 - Wikipedia)の精神でもあったのかもしれません。リンク先にあるように相当誤解されていましたが。

で、円周率を扱うときって、面積を求めるだけじゃなくて、実際に半径と円周を比べてみて3倍よりちょっと大きいとか、そういう話もすると思うんです。そういうときに円周率をどう教えるか、というところを考えないといけないんじゃないのかなーと。円周率ってわりと直感的にわかる、「数学への入り口」であるような気がするんですよね。
その意味で、2002年の「円周率は3」(手計算のときには3を用いる)というのは合理的であったかもしれないな、とちょっと思ったのでした。とはいえ、そこでも「円周率は3.14と教える」ということにはなっていたようですが。。

結局、円周率というのは3.14から始まる無理数であって、3.14を使うのであれば上から3桁より下は不正確な数字しか出ないよ、と教えるのがいい、のかなあ。小学生にわかってもらえるかなあ…

*1:この議論がバズるのも結局はそこのような気がなんとなくしている