バーニー・サンダース来たる(動画あり)


土曜だったか日曜だったか、Facebook民主党の大統領選挙予備選でヒラリー・クリントンをけっこうな勢いで追いかけているバーニー・サンダース上院議員がうちの大学に来るとかいうのを見かけて「え?」と思いつつもリンクをたどったら公式に本当に書いてあって、しかも火曜日のことだとか。
4時開場とのことで、それじゃ授業中だよなあ…と思いつつも、とりあえず登録だけはしてみたら、週明けに見つけた記事では6時半からpre-programが開始とのことで、これなら行ける!と俄然やる気になっておりました。
で、火曜日当日の記事によれば、会場のキャパは6500ほどで、アナウンスから数時間で相当数の登録があったとのこと。人口は4万人くらいだったと思うのですが(おそらく学生は含まれてない)、すごい動員であります。
あとは、スポーツが盛んということはあるにせよ、何千人も収容できるハコがキャンパスに複数あるというのもすごい話ですね。

で、2時過ぎに授業に向かうと、その時点ですでに相当長い列。学生新聞の記事によれば、朝8時から並んでいた人もいたのだとか*1

話の中身は覚えている限りではこんな感じでした。
マリファナ:Wall streetのバンカーたちが経営に失敗してもすぐ忘れ去られ、さらには給料が増えさえしているのに、マリファナ所持で捕まったら一生criminal recordがついて回る。マリファナを規制薬物にする必要はない。メンタルヘルスの問題だってそれで大部分解決するはず。
local policeが頑張っているのは知っているけど、demilitalizeすべき。自分たちのことは、その地域のダイバーシティが反映された警察が守るべき。*2
大学の授業料無料化:Wall streetのbailoutにはさんざんお金が投入されたんだから、大学の授業料無料化だってできるはず。刑務所やwar on drugにお金を使うのではなく、教育にお金を使うべき。
health care:オバマケアで状況は好転したが、まだ保険に入れていない人がいる。保険加入は基本的権利であり、国民皆保険を実現する。
気候変動は起きている*3。人間のせいで起きているのであり、ギリギリだけどいまならまだ間に合う。化石燃料じゃなくて再生可能エネルギーをもっと使うべきだ。

アメリカでは様々な改革が起きてきた。奴隷廃止、女性参政権、人種差別禁止、gay marriage。私たちは世の中を変えることができるんだ!

最新の調査によれば、投票率が高くなれば予備選に勝てる見込み。来週の予備選ではペンシルベニア史上最高の投票率にしよう!


あと、随所でマイノリティ(若年層、黒人、ラテン系、女性、ネイティブアメリカン)の声を聞いているんだ、という台詞を織り込んでいたのが興味深いところ。The campaign is hearing from ...とかって繰り返し言ってました。

事前の予想では授業料無料化に重点を置くんじゃ、と言われていましたが*4、必ずしもそんなことはなく、とはいえ若者向けの内容だったと思います(そもそもバーニーの主なターゲットは若者かもしれませんが)。
開始前になぜかウェーブが始まるなど、けっこうな勢いで盛り上がってるのを見て(まあ、私も一緒になって盛り上がってましたがw)、なかなかなお祭り騒ぎだなあ、と思いました。大統領制の効果はこうやって民主主義を下支えするところにもあるのかもしれません。

Campus policeに加え、シークレット・サービスはもとより、TSAまで来てた(私の通ったセキュリティでは見た覚えないですが、おそらく入場のセキュリティチェックを手伝っていたのでしょう)のにはびっくりしました。まだ大統領候補ではないし、シークレット・サービスだけでは手が回らないということなのでしょうかね。

*1:Students wait in line for Bernie Sanders' speech | State, National and International | collegian.psu.edu

*2:昨年夏にミズーリ州のFergusonで起こった白人警官による黒人少年の射殺事件が念頭にあるのかと

*3:これで歓声が起きるのがアメリカらしいというかなんというか

*4:前説?によれば会場校は全米で2番目にin-state tuitionの高い公立大学のようですし